チビ猫の話 ②
チビ猫が近くの公園で死にそうになってるらしいよって、
うっかり子供に言ってしまった
そしたら、子供は朝ごはんもそこそこに出て行ってしまった
あわてて追いかけると、しょぼしょぼの汚いチビ猫を抱いて
子供が戻ってきた
カラスに襲われるところだったらしい
3羽のカラスに狙われていて、そのうちの1羽はチビ猫の
背中に乗っていたそうだ
カラスを子供が追い払って連れてきた
ひどい目やにと鼻水で顔はガビガビ
目は目やにでふさがっていた
雨に濡れて風邪を引いたのか、咳とくしゃみ、
息をするたびにゼイゼイひゅーひゅーと音がしていた
ガリガリに痩せて、鳴き声も弱々しかった
これはもう、生きられない子だなと思った
私は子供に
「この子はもう助からないよ。病院に連れて行ったり
しないからね。死んじゃっても泣かないでよ」
と言った
2年前、ダンナが保護した、生まれたばかりの子猫が
死んでしまったとき、子供はもうそれはそれは泣いて
泣いて、大丈夫かなと思ったくらい悲しんだから
(私も泣いたけどさ)
子供はわかったと答えた
③へ続く~
by 白順