チビ猫の話 39 リボン

２年前の８月の終わり頃、まだ引っ越す前

マンションの一階のベランダの下で、子猫が

生まれた

子猫は３匹、母猫といつも一緒だった

その時期もゲリラ豪雨で、突然のどしゃぶりが

いつ降り出すかという天候だった

あれは土曜日だったかな、私が仕事から帰って

きたとき、

あれ？猫がいないな、と思った

家に着くと、段ボール箱が部屋の中に

置いてある

なんだ？と思い、箱を開けて見ると、

中に子猫がいた

マンションの下で生まれた子猫だ

まだへその緒がついていて、目も開いてなくて、

耳も閉じている

手のひらのくぼみにおさまるくらい、小さな、

生まれたばかりの子猫だ

ダンナが

ウォーキングの帰りにマンションの下を覗いたら、

母猫も他の子猫もおらずこの子が一人ぼっちで

いたのだそうだ

ゲリラ豪雨が始まれば溺れてしまうだろうし、

カラスに狙われたり、

母猫が戻って来なかったら死んでしまうだろう

と思って、連れてきたのだそうだ

仕方ないので、離乳したら里親を探すことにした

頭にリボンを付けたような模様があったので、

子供がリボンと名付けた

世話はそれはそれは大変だった

とにかくミルクを飲んでくれない

哺乳瓶の乳首の穴を何度も調整し、毎回体重を

測りながらの授乳だった

おしっこもウンチも、濡らしたティッシュで

刺激してやらないといけなかった

家族総出で、なんとか一日５～６回授乳して

ちょっとずつ体重が増え、へその緒が取れ、

耳も目も開いて元気にちょこまかと

動き回るようになったころだった

４０へ続く～

ｂｙ　白順